日本画について
「布に描いているんですか?」とよく聞かれますが、普通に紙に描いています。網目になって見えるのは、筆で縦横に無数にタッチを入れているからです。
画面に時々目に止まる模様は、「たらしこみ」という日本画の昔からある技法です。日本画絵の具で彩色した時、天然乾燥をさせ、自然にできた時間の経過を表しています。
齋の描く日本の風景に、オリジナルの風合いを持たせる表現方法となっています。
残滓牧景(ざんしぼっけい)シリーズとは…
誰もが持っている記憶の残滓(ざんし)。
それを紡いで描いたのが、残滓牧景シリーズです。
第一章は”記憶の残滓とも言うべき曖昧な情感”の十二景に始まりました。
(日動画廊2006年個展)
第二章は、”M氏ノ運転シタ風景ノ記憶”というテーマ、東北本線などの運転手をつとめた父が、運転しながら観てきた四季の風景を心の趣くまま12景にまとめました。(池袋西武アートフォーラム2010年個展)
第二章は、月刊美術にて2008年10月号より2010年5月号まで作品とエッセイを連載しました。