夏の芝生は鮮やかだった。
そこに旗を背負った騎馬武者達。
緑に生えて美しい。
古さを感じないどころか
ハイセンスだ。
ポ〜ン
神旗は花火で高く高く
打ち上げられた。
空中より落ちてくる旗を
取り合う神旗争奪戦。
相馬野馬追のメーンイベント。
風の強さ、打ち上げられた角度、
旗の落ちる予想は
簡単じゃあない。
みんな、固唾を飲んで
空を見つめる。
ゆっくりと.....
上空の風によって流されながら
ひらひらと宙を舞い
神旗が落ちてくる。
手が届くような位置まで
旗がくると・・・
これは、
もう“戦い”だ。
絶対取るんだという
強い意志。
経験で掴む勘の鋭さ。
そして、運の良さ。
この三つがないと、神旗は取れはしない。
神旗を掴んだ武者は
丘にある本陣に
一気に駆け登り、
相馬のお殿様の御子孫に報告する。
これが“神旗争奪戦”である。