猫の兄弟

 

(似てるなあ・・)

 

ブリキのトタン屋根に二匹の猫が丸い。

フワフワで毛は、純白というより

時間を経った鏡餅っぽい象牙色だから、

秋の日差しに馴染んでいる。

 

(老猫までいかない、

 人間でいうと僕ぐらいかな。)

 

 

顔は当たり前だけど毛に覆われている。

だから目の表情での推測すると

猫生?(人生)の荒波を一越え、二越えした

ちょっと“すれた眼力”。


そんな事を思いながら、

歩いていると、


またもや、猫の兄弟。

不安げにこちらを見つめている。



(お〜! 若い!)


黒い毛は墨よりも黒く、

白い毛は小春日和の光に輝いていた。