「何か、雰囲気変わったねえ〜」
と何人かが言った。(えっ、そんな変わった〜?)
と思ったけれど(そりゃあ・・そうかあ・・)と
すぐに現実を受け入れる。
昨日は懐かしいメンバーとのグループ展。
“二十年以上ぶり”の人とたくさん会った。
そういえば絵描きに専念して10年。
その間には、大震災、リーマンショックなど
直接、身に降り掛かることもたくさん・・
この十年、必死に社会についていった。
(その間に、自分も変わってしまったかな〜)
変わった・・。
そう思われても仕方ないと思うと
少し悲しい。
すると、急に“変わらないもの”が見たくなった。
次の日の朝、名古屋に帰る前に
酔いが抜け切らない身体で
お茶の水の“聖橋”に行ってみる。
ここは上京して初めて“思い入れを持った場所”である。
(ここは変わらないなあ)
と言いたかった。 しかし・・
ここは変わっていた。
どころか、もっと変わりそう。
(そうかあ〜 そりゃそうか・・)
しばらく、お茶の水周辺をブラブラ。
朝食で小綺麗な立食いソバ屋に入る。
ジャズがかかった店内は昔より
あか抜けていて、薄く透明なスープ。
昔の名残はみじんもない。
ただ、小窓から入る晴れた冬の日差しは
三十年前と変わらない気がした。