塩屋埼灯台のこと

 

 

僕は、盆地出身だから子供の頃、海は苦手だった。

 

さすがに今はそんな事は無い。

苦手意識が解消されたのは、灯台の美しさに

魅せられたからのような気がする。

 

塩屋埼灯台は“日本の灯台50選”にも選ばれた

福島県いわき市にある灯台。

 

“喜びも悲しみも幾歳月” の映画の撮影、

美空ひばりの “みだれ髪” の歌碑など・・

 

全国的にも名の通った白亜の美しい灯台である。

 

 

 

 

「この辺は津波が来ないって言われていたのにねえ〜」

 

昨年の春、この灯台を訪ねた時に受付の女性が言っていた。

この地域は遠浅で津波が来ないと言われていたらしい。

 

そのことは、3,11の避難を遅らせた原因になった。

被害は甚大だったのだが、120名もの方が帰らぬ人に。

 

いわき市の亡くなられた三分の一はこの地域だったのだ。

 

 

 

 

灯台は高台にあったので無事だったけれど

この地域の建物、施設等はほんの一部を残して

流されている。

 

海岸は2017年現在、かなり土地が盛り上げられて

灯台以外、この地域の面影はほとんど無くなったらしい。

 

一週間前、大震災から6年目を迎えた。

 

復興が進んだ、進んで無いの議論、

誰の責任かの議論も必要なんだろうけど・・

 

寄り添う意識を持ち続けることが、

何より一番重要な気がする。

 

その意味でも

塩屋埼の灯台は大事な役目をしているのだろう。