そのお医者さんは、なぜか不機嫌そうに言った。
「健康診断でアドバイスはしないんです。もし、悪いところがあるのなら、
専門医、もしくは掛かりつけの医師に相談してください。」
もっともな意見に聞こえるが、送られた健康診断結果の書類に
(診断を受けた病院から、きちんとアドバイスを受けてください)
と書いてあったから予約して来ているのに・・少し腹が立った。
(でも、このお医者さん、何でこんなこと言うんだろう)
少し疑問に思い、話を聞いていると少しずつ言いたいことが
わかってきた。
カウンセリングを長くするほどの時間の余裕もないこと。
さらに驚くことに常勤ではなく、この病院の次の人が決まるまで
昔のよしみで週一で手伝っているということ。
自分は呼吸器系専門で総合的には見れないこと。
そして・・
数値の多少の異常を患者さんが気にしすぎ、医者に依存しすぎること。
しばらく話していると、今の医療界の現状、経営の難しさ、
趣味は写真、お父さんは絵を描くのが趣味であること。
結構長く話した。
最後に、
「この症状だとこの近くのこの先生が優秀だからあなたにあっている。」
そんな風に言われた。
生まれて初めて病院をハシゴした。
そこは小さな古い医院だったけれど、本当に言われた通りの
優秀でわかりやすい先生だった。