ツグミの朝

 

 

( あ・・ツグミだ )

 

 

僕は一年に一度、

名古屋芸術大学の講評会を頼まれている。

今年で7回目である。

その日の朝、今年一番の寒さだったけれど

気分転換も兼ねて駅まで歩いていた。

 

(ツグミって多分、シベリアからだよなあ・・)

 

 

 

 

1年前に引っ越したから

駅といっても新幹線の“新横浜駅”

自宅の鶴見から歩いて約6キロぐらい。

 

名古屋から引っ越して一年経ったけれど、

まだまだ土地柄、道筋などは

把握仕切れていないので、遠く感じる。

 

(それが面白いんだけれどね)

 

 

 

 

マイナス二度、快晴だから

最初、寒くても中間地点の頃には

ポッカリ・・

 

 

頭を真っ白にして歩いていた。

普通、歩きながら

話す内容など考えるのだけれど、

今回は敢えて考えない。

 

(直感を講評会で言葉にしてみよう)

そんな風に思ったからだ。

 

  

 

 

 

 名古屋に着くと・・

 

横浜より空気が冷たかったけれど、

 

陽の光がなんとなく柔らかくみえた。