(もし、この赤門が梅園の中にあったら、桃源郷なのに・・)
第一印象は、そう思った。
車が多い道路に面して存在するから、“ 良い感じ ”なのに、
人々の注目も薄い。
でも門の向こう側は、ボールで遊べる広めの公園だから、
小学生や親子連れの声がこだまする。
(立派なお屋敷の名残の赤門なんだろうね・・)
内側に石碑が建っていた。
この赤門は近くの4地域(東寺尾、北寺尾、西寺尾、馬場)
のために尽力した名主 澤野家の長屋門であるとのこと。
太平洋戦争後、農地改革で澤野家は広大な土地を手放さなければ
ならなかったということ。
そして、それは時代の流れで仕方なかったということ。
主にこの三つが書いてあった。
その石碑は最後に
“ 心今もいこい 在さむ自然林 永久に傳えむ 鳥のすみかに ”
という詩で結んでいる。
地域の名主というものは
私欲が強い一族だと、そう長い年月持たない。
澤野家は利より、人として・・地域として・・を
大切にしている哲学なんだろう。
鶴見は今でも野鳥が多い。