呉羽梨

 

 

 

呉羽梨をもらう。(美味しい。あまい・・)

 

名前は聞いたことがあったし、食べたこともあったけれど、

(梨は福島)と擦り込まれているから、なんとなく

意識したことはなかった。

 

(呉羽梨は富山なんだ。少し調べてみよう)

 

 

 

 

 

明治時代のことだった。

 

富山の呉羽【くれは】丘陵の“土池弥次郎”という人が

呉羽の土は粘土質で、水の便が悪く、少しの日照りで

田んぼがすぐ干上がってしまうことに頭を痛めていた。

 

弥次郎は土地柄に合う作物を探していた。

いろいろ検討して、目にとまったのが “梨”。

東京から青梨を持ち帰り、自分の畑に植えてみたことから

『呉羽梨』は始まる・・

青梨はうまくいかなかったが。赤梨に切り換えて栽培を広めていった。

    ※青梨は20世紀梨に代表される緑掛かった梨、  赤梨は黄土色掛かった長十郎、幸水のような梨、

そして、今や全国ブランド。

 

(案外、一人の人物の想いと粘りが地域を変えるんだよな)

このような例が、世の中には時々ある。