夜電車と灯りと

 

 

夜の田んぼの向こうに、

 

ポツンポツンと家の灯り。

 

オレンジ色、赤色、薄緑色・・

 

今でも時々思い出す。

 

 

『家ノ灯リニ夜電車走ル』の一部分

 30F     2013年制作日本画

 

 

【作品解説】

 僕は子供の頃、小児喘息だった。夜に発作が

起きると近くの小児科に連れていかれる。

 そして注射を打たれて、発作がおさまると母

と一緒に帰る。けだるい体調のまま母におんぶ

された帰り道、田んぼ向こうに見えた家の灯り

の情景は何十年も経った今でも時々思い出すの

である。