2015年
3月
05日
木
遅めの昼食を食べるために、
こじんまりとした 中華料理屋さんに入った。
もう お客さんはほとんどいない。
でも、ふと向こうを見ると
大きな丸テーブルに 幼児が一人。
たぶんお店の子供だろうな。
必死に 必死に ストローで
“ジョッキのお茶”を飲もうとしている。
( 倒しそうで危ないな)と思ったけれど・・
なんだか 可愛い。
思わず盗み描き。
2015年
3月
01日
日
いつもはラジオだけれど
最近、こんな曲にはまっている。
アルヴォー・ベルト 「 鏡の中の鏡 」
ゆっくりと、同じようなメロディー
繰り返し、繰り返し・・
あまりに心持ち良い。
雑念に襲われ、心が乱れることを
そっと治してくれる。
突然、出会った曲だけれど・・
昨年の終盤は
シガー・ロス 「 Ekki mukk 」
ばっかり聞いていた。
妻から言わせると・・
「あなたの聞く曲は眠くなる。」らしいよ。
今日から三月。
三月は後半に、横浜そごう個展がある。
詳しいことは、近日中にHPニュースで紹介しますね。
ちなみに、三月に “はまりそうな曲” は
朝崎 郁恵 「あはがり」 である。
2015年
2月
25日
水
トンネルをぬけると
オレンジ、黄色、赤や緑色が
暗闇に厳かに光る。
(ああ、福島盆地だ。)心の中でつぶやく。
(長かったな〜。)荷物をまとめながら
切符が気になって、ポケットに手をつっこんだ。
帰ってこられなかった。だって四浪だもの。
人の目が怖かった。何を言われるか怖かった。
やっと帰られる“お金で買えない切符”
を手に入れた。
もうすぐ福島駅。
(ああ〜やっと帰ってこられた。)
安堵感と一緒に、こらえてきたものが
ポロポロと大粒に落ちてきた。
この時期はこんな事を思い出す。
2015年
2月
22日
日
「明日、もしかしたら“春一番”が吹くかもしれません。」
とラジオから天気予報。
(えっ、春一番・・春一番か・・)
急に頭の中にキャンディーズのあの歌が蘇る。
♪ “春一番”が掃除したてのサッシの窓に
埃の渦を踊らせてます
机 本棚 運び出された荷物の後は
畳の色がそこだけは若いわ
お引っ越しのお祝い返しも
済まないうちに またですね
罠にかかった うさぎみたい
いやだわ あなた すすだらけ
おかしくって 涙が出そう
123(ワンツースリー) あの三叉路で
123(ワンツースリー) 軽く手を振り
私達 お別れなんですよ
“春一番”じゃあなくて、この曲は“微笑みがえし”。
でも・・今まで気がつかなかった・・。
この歌、文字に起こしてみると
味わい深い詩である。
春一番が埃の渦を踊らす とか
畳の色がそこだけは若い とか
表現として、素晴らしい。
作詞は阿木曜子。さすがだ・・脱帽。
しかし・・・・もう・・春一番か〜
頑張んなきゃ!
2015年
2月
18日
水
こんなことを思い出した。
学校から帰って、
自転車で20分もかかる松川グランドで今日も遊ぶ。
帰る時間は5時の約束だったのに・・
夢中になりすぎ、もう日が沈みそう。
約束をとうに過ぎて
(また怒られるなぁ!)と途方にくれた。
川沿いのサイクリングロードを
母の怒った顔を想い、
自転車のペダルをこいでいると・・
向こうの上松川橋に
ちょうど電車が通りかかる。
(赤いなあ!)
思わず独り言が…。
その言葉で初めて“夕日が綺麗”と気付く。
自転車を止めて
夕日に走る電車と
家路に急ぐ人々を眺めた。
なんだか少しだけ元気が出てきた。
(よし僕も帰ろう!)
ペダルを強く踏み込んだ。
踏みしめる度に
空は紅く紅く、
そして暗くなっていった。
2015年
2月
15日
日
こんなことを思い出した。
修ちゃんに呼ばれて、重い腰を上げた時には、
外は雪が本格的になっていた。
校門を出て、車があまり通らない大通り。
奥羽の山の方へ進むと、真っ正面から“吾妻おろし”
の西風が冷たい雪粒とともに向かって来る。
(今日は帰るのたいへんだな!)
子供なりに覚悟を決め、頭を西に倒しながら
進んでいると、二十メートル先の修ちゃんは
雪玉をぶつけてきた。
(やったな!)
とすぐにお返しの雪玉を作り始めると、
また、雪玉が耳をかすめる・・
今度は予想しない 逆方向 からだ。
(そういえば、さっき小田くんが・・いたな。)
とりあえず、振り返らないで電柱に身を隠す。
そこから田んぼに入り、近くの“積みわら”まで走った。
その間に小田くんの顔には、
修ちゃんの投げた雪玉が見事に命中。
西側の修ちゃんが投げると、“吾妻おろしの風”も
手伝って、雪玉はすっごく速い。
二人が応戦中に、ニヤニヤしながら
(よし、この間だ。)と
素早く雪玉を三個用意して
二人より西へ、西へ・・。
“吾妻おろし”を味方につけるために !
2015年
2月
11日
水
「ほんやか した匂い!」
娘がフリージアの匂いを嗅いでいる。
「ほんやか?」
「うん。ほんやか。」
「これは?」とストックの花を匂いを尋ねる。
「ん〜 “車のタイヤの匂い” かな。」
なるほどね。
ああ・・春の花のにおい!
2015年
2月
08日
日
最近、宇宙の説明が分かり易い 。
自分の頭が
太陽と同じ大きさだとすると・・
地球は30メートル先の米一粒ぐらい。
オーロラを研究する人がラジオで教えてくれた。
(ふ〜ん、すると木星の大きさは?
土星は?ジャイアント星は・・?)
ラジオが呼び水になって
星の大きさの動画を探してみた。
そして、固唾を飲んで見てみる。
すると、頭から煙が・・。
宇宙は膨大・・そして無限すぎて。
日本画家の先人達には
宇宙を用いた名言がある。
「一枚の葉っぱを手に入れることができた時、
あなたは、宇宙も手にしている。」
安田靫彦
「 絵のなかには、宇宙がなければいけない。」
横山大観
かなり哲学的、でも自分なりに
解釈すると
“普遍的なことが感じられる絵画は、
宇宙の無限性をも含んでいる。
それは、葉っぱ一枚にも・・。”
そんな意味だろう。
絵を描いていると、奔放に描いてるようで、
実は“何かの理想”を追っている感覚になる。
言葉で表現し切れない“何か”・・。
先人の “この言葉” は一つの答えである。
案外、絵画と宇宙は近いのかもしれない。
2015年
2月
04日
水
昨日は節分。
(と言うと、今日は立春だね)
鬼を追って “から付き落花生” をまく、
これ “節分の常識” と思ってた。
(恥ずかしながら二十代中頃まで)
だから、煎り大豆が正式と知って
びっくり・・
“落花生をまく” に慣れちゃって
大豆だど、未だしっくりこない。
そして、節分と言ったら、
赤塚不二夫の鬼の面だった。
豆菓子のメーカー“でん六”が
節分の前にお菓子を買うと
♪ でんでん でん六豆 うまい豆 ♪
今なら 鬼の面 プレゼント ♪
そう鬼の面がもらえるのだ。
これも、“日本全国共通” と
思ってたら・・これも違う。
(上京する二十歳まで全国的だと・・)
どうやら
“でん六”は山形のメーカーで
主に東北のものだったんだよね。
追伸 ここ数年で、“でん六のお菓子” は
名古屋でも見かけるようになりましたよ。
鬼の面も続けてました。もう四十年以上。
2008年、赤塚さんが亡くなってからも
毎年作られてます。
2015年
2月
01日
日
手塚治虫の言葉で、
「いずれ、
宇宙ステーションでカップルが誕生し、
人類は初めて、
地球から離れて子供を生むだろう。
大きな宇宙から
足元に存在する小さな地球をみて、
民族とか、思想の違いとか、
そんな事より
“かよわく美しい地球”を大事にしなきゃいかん。
と心底思う時代が来ると思う。
新しい哲学が生まれる時代がきっと来る。」
晩年の言葉である。
二月一日、今日は残念な出来事があった。
早く、そんな時代が来ますように。
2015年
1月
28日
水
♪ 俺たち大寒ブラザーズ・・
むつかしい こと ・・わかんない。♪
でも〜 今は・・ 寒いのさ〜 ♪
誰が〜悪い わけでもな〜い ♪
た〜だ とっても さむ〜イのさ ♪
2015年
1月
26日
月
「何か、雰囲気変わったねえ〜」
と何人かが言った。(えっ、そんな変わった〜?)
と思ったけれど(そりゃあ・・そうかあ・・)と
すぐに現実を受け入れる。
昨日は懐かしいメンバーとのグループ展。
“二十年以上ぶり”の人とたくさん会った。
そういえば絵描きに専念して10年。
その間には、大震災、リーマンショックなど
直接、身に降り掛かることもたくさん・・
この十年、必死に社会についていった。
(その間に、自分も変わってしまったかな〜)
変わった・・。
そう思われても仕方ないと思うと
少し悲しい。
すると、急に“変わらないもの”が見たくなった。
次の日の朝、名古屋に帰る前に
酔いが抜け切らない身体で
お茶の水の“聖橋”に行ってみる。
ここは上京して初めて“思い入れを持った場所”である。
(ここは変わらないなあ)
と言いたかった。 しかし・・
ここは変わっていた。
どころか、もっと変わりそう。
(そうかあ〜 そりゃそうか・・)
しばらく、お茶の水周辺をブラブラ。
朝食で小綺麗な立食いソバ屋に入る。
ジャズがかかった店内は昔より
あか抜けていて、薄く透明なスープ。
昔の名残はみじんもない。
ただ、小窓から入る晴れた冬の日差しは
三十年前と変わらない気がした。
2015年
1月
21日
水
柴又駅から歩いて参道、帝釈天を越える。
そこから5分ぐらいかな。
急に見晴らしのいい・・江戸川土手。
柴又に住み始めた頃は
北総線鉄橋ができる前だったから
今より、ずう〜と遠くまで見渡せた。
金町方面に歩いて行くと
取水塔がある。寅さんの映画にも
何度も登場。
寅さんも僕も
この辺の土手でよく横になっていた。
名古屋に引っ越して、もう二十年。
もしかしたら、今まで住んだ場所で
柴又の江戸川土手はナンバーワンかも・・
なぜなら、どうしても
行きたくなって、未だに
一年に一回ぐらいは訪れる。
ああ、柴又に行きたい。
江戸川土手に行きたいよ〜。
2015年
1月
14日
水
いきなり、「春の七草を言え!」って
言われたら、 せり、なずな・・
何回調べても忘れちゃう。
「せり なずな 御形(ごぎょう)
はこべら 仏の座
すずなすずしろ これぞ七草」
せり は田んぼの土手で採った記憶が、
なずな はペンペン草だからイメージがわく。
そして、すずな、すずしろは
“かぶ”と“大根”だから何となく
覚えやすいんだけど・・
御形(ごぎょう)? はこべら?
仏の座?
いずれも水田雑草。
映像がなかなか浮かばない。
話は飛んじゃうけれど・・
雑草って
踏まれても立ち上がり、“不屈の精神”って
イメージあるけど、違うらしい。
踏まれたら二度と・・立ち上がりはしない。
その踏まれた所で
利点を見つけて生きていくのが上手。
もしかしたら、これこそが本当の
“雑草たましい”。
2015年
1月
11日
日
「描きたいことがあって絵を描いているのに、
見る人を気にしたり、アドバイスを受けたり、
だんだん、自分が本当に描きたい絵なのか、
わからなくなるんです。
先生もそんな事ありますか?」
たぶん、こんな質問だったかなあ。
一年に一回美大の講評会に呼ばれている。
寒いけれど空気が澄んだ穏やかな日だった。
二時間以上の講評終わり際の質問。
素直に思いつくまま答えてみた。
「う〜ん、二十代や三十代の頃、考えたことが
あるなあ・・。でも、四十を過ぎたぐらいから・・
そんな事、ど〜でも良くなっちゃった。
何でだろう・・長年、絵を描いてると
描く自分の気持ちとかより、絵を描いて、
見る人と共鳴してもらえる奇跡が嬉しくてねえ。」
質問に対してピントが少し外れた
こ〜んな答えをした。
“共鳴が嬉しくて絵を描いている。”を
学生さんの質問で、僕の口から出てきた
ことに自分で驚いたりして・・
次の日の朝、海苔もちを食べながら、
自分が話した事を思い出そうとしたけど、
感覚的に話したせいか、ほとんど記憶にない。
(何だか、楽しかったな・・みんなはどうだったろう?)
そう思いながら、少し冷めたコーヒーを
口に運んだ。
2015年
1月
07日
水
「うわっと“あづまおろしの風”に
雪が混ざってきて今日は寒いよ。」
と、福島の母から電話が・・。
「今、雪は止まってるけど、風が強いんだ。」
さっきニュースで聞いたが、東北新幹線が強風で
止まっているらしい。
今日の作業員は大変だ。
北国は気温の低さもすごいけど・・
さっき、ラジオで
コロラド帰りの人が言っていた。
「コロラドはマイナス15度、でもプラス7度の日本の方が、
風のせいか、湿度のせいか、寒く感じる。」と・・。
2015年
1月
04日
日
仕事場へ行く途中、
郵便の赤バイクを見かけた。
(あれ、日曜も配達なんだ。郵便局もたいへんだ。)
ポストを覗いたら、結構の年賀状。
様々な心癒される年賀状の中に、
ある一通が目に飛び込んできた。
「南三陸は、まだ復興途中です。」
と書かれた、その年賀ハガキ、
震災前に知り合った新聞記者さん。
家族写真と背景には
高台から見下ろした南三陸町の眺望があった。
(全く、まだまだ・・なんだなあ。)
僕は福島出身だから、福島関係の情報は少しわかる。
でも、おなじ東北でも宮城県南三陸町の今は・・
もう少し復興が進んでいると思い込んでいた。
(自分は何も知らないんだなあ・・
よし、今年は一度、三陸地方を訪ねよう。)
2015年1月4日、“一つの実行すること”が決まった。
2015年
1月
02日
金
明けましておめでとうございます。
大晦日の日、娘と歩いた。歩いた。
陽気も良く、
散歩したくて歩き回った。
お陰ですんごい疲れが・・
元日は、ず〜と寝ちゃったなあ。
起きては、お酒飲んでポワッとして
うつらうつら・・正味起きてたの六時間ぐらい。
今朝、起きたら、
クッキーができていたりして・・。
改めて、本年もよろしくお願いします。
2014年
12月
30日
火
“妖怪ウォッチの事なんて別世界の流行もの”
なんて思ってたら・・・
普段、まったく出掛けないから
毎年、大晦日には娘と映画の約束。
娘の選んだ映画は・・・・
“妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン”
ん〜やられたああ。
もう少し、おとな・・
でも、まあいいニャン。
僕のこの一年は
自分自身を止めないように・・
努めてきた2014年。
ちょっと一休み
大晦日はお酒飲んで、
2015年へ・・
皆さん、良いお年を・・・
2014年
12月
28日
日
式場に向かうタクシーで、おもむろに聞いてみた。
「ねえ、2014年って景気はどうだった?」
半分白髪で短髪の身なりがさっぱりとした運転手さん。
「ん〜・・ん〜・・なんともねえ〜。」
と言いながら、綺麗な仕草でハンドルを回している。
僕は少し遠くのビルを眺めて答えを待った。
「あんまり売り上げは変わんないけんど、
昔からあったもんが・・なくなったなあ・・」
そしてゆっくりと頭を上下にしながら、
「三十年近くいつも行ってた喫茶店が閉めちゃってねえ・・
あと目印のコンビニとかがなくなっちまったり、
何か、今までど〜りってのが・・ねえ・・」
「ああ〜何となくわかるわあ〜。」
と僕は答えると・・いろんな出来事が浮かんできた。
「でも、孫は生まれたよ。」
と少し早口で運転手さんが言う。
「男の子?女の子?」
「やっと女の子。男の子はたいへんだから。」
いつのまにか、景気の話じゃ無くなってる。
タクシーに乗るたび、そんな会話を繰り返す。
子供の頃、こんな父の無駄話が嫌いだったのに
父のDNAをもうすっかり・・。
2014年
12月
25日
木
あと一週間で今年も終わる。
2014年、健さんが逝ってしまったのは、
とっても悲しい。
映画を見直してみると、とにかく懐かしい。
過去の映画だから、“懐かしい”は当たり前だけれど、
何か、それだけじゃない。
多分、それは“佇まい”だろうなあ
昔の大人のみんな持っていた
子供感が全く抜けた、甘えの無い佇まい。
昨日、久しぶりに
“幸せの黄色いハンカチ”をみた。
ラストシーンの後ろ姿が凄い。
やっぱり不器用な演技、
じっとみてしまう。
今の大人では・・
“誰もできない佇まい”だった。
2014年
12月
18日
木
寒いんじゃない。冷たい日だ。
朝からテレビは、しきりに爆弾低気圧を伝えている。
爆弾低気圧?物騒な言葉だ。
そして、“数年に一度の寒波”とも言っている。
こんな日は落ち着かない。
名古屋は、大雪でも強風でもないのに
夜までザワザワしていた。
ザワザワしていたせいか、要領の悪い一日が過ぎ
アトリエからの帰りが午前様になった。
あらら・・あら・・びっくり、
すんごい雪が、しんしんと止みそうがない。
は〜あ、驚いた。
やっとこさ帰って、
その朝・・・
雪は降り続いたらしく、名古屋の積雪は23センチ
これだけの積雪は九年ぶりらしい。
郵便ボストが白くて大きな帽子をかぶっていた。
2014年
12月
16日
火